CB1300 SUPER FOUR SP Final Edition
巨軀を駆り、阿蘇を走った。
何度目か分からないほど訪れているのに、
そのたびに、心の奥の“基準点”がここに戻る。
外輪山を抜け、草千里へ。
エンジンの鼓動と、大地の呼吸が同調していく。
空は近く、風は厚みを持ち、
遠くまで見通せるのに、なぜか包まれているような安心感がある。
阿蘇は、いつだって変わらない。
でも、同じではない。
季節の光、草の匂い、火山灰の粒、
すべてがその日の“今”として立ち上がってくる。

ここを走ると、バイクという存在が
ただの機械ではなく、“媒介”に思える。
鉄と風をつなぎ、人と大地をつなぐ。
その線の上で、僕は生きている。
阿蘇を離れるとき、
毎回、名残惜しさと同時に、
「また戻ってこよう」という静かな確信が生まれる。
そうやって、この地は僕の中で
“終わらない旅の原点”になっている。

