夕焼けに間に合う街ーー仕事終わりに叶う、バイクと暮らす自由

福岡志摩サンセットロードの夕焼けとCB1100EX

18時、ラップトップを閉じる音が今日の区切り。

帰宅後、仕事着を脱ぎ捨て、サッとジャケットを羽織り、キーをひねる。
空はすでに茜に染まりはじめていて、もうすぐ陽が沈む。

目指すのは、糸島の海沿い。
この街なら、まだ間に合う。

東京よりも、少し遅い福岡の日没。
約30分の時間差。
その余白に、バイクと走る自由をねじ込む。

アクセルを軽く開ければ、オフィスの残像はすぐに視界の外。
風景が、現実から物語へと緩やかに滲んでいく。

そして海沿いに出るころ、水平線の向こうに、光の終わりと始まりが重なっていた。

たった1時間。
だけど、それだけで今日が特別になる。

ただ行って、ただ帰る――そんなライドのようでいて、
暮らしのすぐ隣にある自然と向き合う、小さな旅でもあった。

バイクのある生活。
福岡という都市。

そして、自分で選んだ距離感。
それらすべてが重なった先に、この夕焼けがあった。

このことばが、誰かの再起動のきっかけになりますように。
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